令和元年度 大阪掖済会 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 282 66 82 75 163 247 447 623 512 177
この指標では、年齢層ごとの入院治療を受けられた患者数を示しています。
幅広い年齢層の患者さまが入院治療を受けておられますが、特に60歳以上の患者さまの割合が65.8%と多数を占めており、ご高齢の方が多く入院されています。
また、10歳未満の小児患者さまは全体の10.5%となっており、地域の紹介患者受け入れを行っているため多い結果となりました。
また、当院は労働災害や交通事故の患者さまが多く入院されていますが、DPC対象外のため上記の表の数字に反映されていません。全体の約1割の患者さまが、交通事故や労働災害でご入院されています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100070xx99x110 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 あり 85歳未満 - - 15.20 - -
100070xx99x100 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全なし。) 手術なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 なし 85歳未満 - - 13.72 - -
100071xx99x110 2型糖尿病(糖尿病性ケトアシドーシスを除く。)(末梢循環不全あり。) 手術なし 手術・処置等2 1あり 定義副傷病 あり 85歳未満 - - 14.74 - -
110280xx99000x 慢性腎炎症候群・慢性間質性腎炎・慢性腎不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 11.67 - -
100040xxxxx00x 糖尿病性ケトアシドーシス、非ケトン昏睡 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし - - 13.41 - -
※症例数が10例未満は-(ハイフン)と表示されています。
当院の内科は「代謝・内分泌内科」を担当しており、糖尿病、慢性腎臓病、甲状腺疾患、各種内分泌疾患を中心に診療を行っています。糖尿病治療に関しては、血糖コントロールを目的とした教育入院が多く、インスリンの適切な投与や食事指導などで、血糖管理の改善をサポートします。合併症に関しては眼科および循環器内科を筆頭とした他科との連携を図り、進展予防に留意しています。
また末期腎不全の患者さまに対しては、透析導入から維持透析の継続に至るまで出来る限り当院で完結できるよう診療を行っています。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99200x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 2あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 73 3.27 3.15 0.00% 68.49
050050xx02000x 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1 なし、1,2あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 66 3.33 4.40 0.00% 68.48
050130xx99000x 心不全 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 46 21.93 17.71 0.00% 78.83
050030xx97000x 急性心筋梗塞(続発性合併症を含む。)、再発性心筋梗塞 その他の手術あり 手術・処置等1 なし、1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 45 13.04 12.37 0.00% 62.60
050050xx99100x 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1 1あり 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 37 3.49 3.01 0.00% 66.51
当院の循環器内科は2019年7月より心臓病センターを立ち上げ、医師3名体制で夜間休日を含めた24時間365日オンコール体制で診療にあたっています。狭心症、急性心筋梗塞などの虚血性疾患はもとより、心不全、弁膜症、心筋症、不整脈、大動脈解離など、あらゆる心血管疾患に幅広く対応できる体制を整えています。超急性期から慢性期に至るまで継続的な治療が可能です。
最も多いのは、狭心症や慢性虚血性心疾患に対してのカテーテル検査入院です。当院では冠動脈有意狭窄病変に対する冠動脈カテーテル治療(PCI)を多く行っています。また、急性心筋梗塞などの救急症例を積極的に受け入れており、緊急での心臓カテーテル検査・治療が可能です。症例は確実に増加しており、今後も地域の循環器救急の中核施設として尽力していきます。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 定義副傷病 なし 215 2.06 2.63 0.47% 67.09
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 35 28.91 20.84 25.71% 85.66
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 32 9.72 9.79 6.25% 78.19
060100xx01xx1x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 定義副傷病 あり 23 2.00 3.57 0.00% 73.57
060102xx99xxxx 穿孔または膿瘍を伴わない憩室性疾患 手術なし 21 7.38 7.65 9.52% 68.95
当院の消化器内科の内視鏡センターは24時間オープンしており、血液検査や尿検査など一般検査以外にも消化器内視鏡検査、腹部検査なども緊急対応可能です。特に吐血・下血などの消化管出血に対する内視鏡的止血術や異物除去術などは深夜でも緊急治療を行っています。また、予約なしでの当日胃カメラや、胃カメラと大腸カメラを同じ日に行う同日検査も行っており、消化器内視鏡検査の受け入れ体制を十分に整えています。
消化器内科で最も多いのは、大腸ポリープに対し内視鏡的切除を行う入院です。大腸ポリープとは、大腸粘膜の一部がイボ状に盛り上がり隆起した形状を表す総称のことで、良性や悪性のものがあります。ポリープは大きくなるほどがんの割合が増加します。ポリープの形をした大腸がんは早期がんであることが多いので、小さいうちに検査で発見し、治療することが必要です。患者さまの病状や年齢によって安全を考慮し短期入院で治療を行っています。
第3位は、胆管炎です。その中でも総胆管結石を有する方が多く、内視鏡的乳頭切開術(EST)という手術を施行し結石を除去します。当院では学会認定の内視鏡指導医及び専門医が治療します。
また、当院の消化器内科は消化器疾患だけでなく一般内科も担っているため、誤嚥性肺炎の入院が第2位となりました。嚥下障害がある患者さまには嚥下内視鏡検査を実施し、積極的に摂食機能療法を行っています。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 36 4.03 4.85 0.00% 68.72
060210xx99000x ヘルニアの記載のない腸閉塞 手術なし 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 20 6.60 8.89 5.00% 67.30
060335xx02000x 胆嚢水腫、胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 16 7.69 7.13 0.00% 58.94
060100xx01xx0x 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 定義副傷病 なし 13 2.15 2.63 0.00% 77.31
060035xx01000x 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1 なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 12 13.33 15.02 0.00% 73.92
当院の外科は、消化器外科を中心とした消化器悪性疾患と救急疾患を診療の柱としております。悪性疾患に対しては、標準治療を原則に医療の進歩に沿った最適・最良の治療法選択を心がけています。救急医療にも積極的に取り組み、24時間体制で幅広い消化器救急疾患に対応しています。
外科で最も多いのは、鼡径ヘルニアに対して「腹腔鏡下手術」や「前方アプローチ手術(脱出部腹壁を切開する)」を行う入院です。鼡径ヘルニアとは、本来ならお腹の中にあるはずの腹膜や腸の一部が、鼡径部(太もものつけね)の筋膜の間から皮膚の下に出てくる病気です。脱腸(だっちょう)とも呼ばれてきました。鼡径ヘルニアは乳幼児から高齢者まで幅広く起こりうる病気です。成人の場合は運動不足も含め身体の組織が弱くなることが要因です。
第3位は、胆のう結石症や胆のう炎などに対して行われる「腹腔鏡下胆のう摘出術」です。当院では、消化器内科で診断・緊急治療を受けた後に、急性胆のう炎では発症後72時間以内に手術することが、ガイドライン上で推奨されており、外科で腹腔鏡下胆のう摘出術を施行する症例が多いことが特徴です。
第5位は、大腸がんに対して「腹腔鏡下手術」や「開腹手術」を行う入院です。近年増加しているがんに対して、当院では大腸がんや胃がんの根治手術を行う症例が多いです。また術後の補助化学療法や切除不能進行・再発がんに対する化学療法も、外科で行っています。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080270xxxx1xxx 食物アレルギー 手術・処置等1 あり 54 1.00 2.15 0.00% 2.70
0400801199x00x 肺炎等(1歳以上15歳未満) 手術なし 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 42 5.81 5.69 2.38% 4.74
040070xxxxx0xx インフルエンザ、ウイルス性肺炎 手術・処置等2 なし 33 6.36 5.73 0.00% 2.00
040090xxxxxx0x040090xxxxxx0x 急性気管支炎、急性細気管支炎、下気道感染症(その他) 定義副傷病 なし 30 5.33 6.19 0.00% 1.53
040100xxxxx00x 喘息 手術・処置等2 なし 定義副傷病 なし 28 5.68 6.64 0.00% 2.36
当院の小児科は一般小児急性疾患を中心に診療を行っています。
小児科で最も多いのは、食物アレルギー負荷試験などの日帰り検査入院です。食物アレルギーの診断をつけるため、あるいは食物アレルギーが良くなったのかをみていくために食物経口負荷試験を行う必要がありますが、食物経口負荷試験は重い症状が出現することもあり危険を伴うので、食物アレルギー診療の経験豊かな施設で行うべきです。当院では専門的診療が可能な医師が、日帰り入院で行います(強い症状が出た場合は、日帰りの予定でも医師の判断で宿泊となる場合があります)。
次いで多いのは、マイコプラズマやRSウイルスなどによる肺炎や急性気管支炎などの呼吸器感染症の症例です。大阪市西区で数少ない有床の小児科のある病院として、地域の診療所・クリニックから紹介患者さまを受け入れています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160760xx97xxxx 前腕の骨折 手術あり 40 6.38 5.54 2.50% 41.98
160780xx97xx0x 手関節周辺の骨折・脱臼 手術あり 定義副傷病 なし 25 4.04 4.11 0.00% 30.68
070290xxxxxxxx 上肢関節拘縮・強直 19 10.16 9.56 5.26% 45.11
160740xx01xx0x 肘関節周辺の骨折・脱臼 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿等 定義副傷病 なし 16 3.81 5.59 0.00% 21.50
160800xx01xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 15 30.67 25.94 40.00% 80.80
当院の整形外科は手外科・外傷マイクロサージャリーセンターが含まれており、顕微鏡下の四肢外傷切断指再建手術を中心とした専門的な診療を行っています。多くは労働災害や交通事故で負傷した患者さまで、市内だけでなく大阪府下及び近隣他県から救急搬送、紹介受診されています(労働災害や交通事故による患者さまは健康保険を使用しないためDPC対象外となっており、上記の表の数字には反映されていません。実際にはさらに多くの患者さまが入院しています)。
整形外科で最も多いのは、前腕部の骨折に手術を行う入院です。外傷後の神経麻痺や拘縮にも対応しています。当院では、創外固定という特殊な機材を用いる手術が多く、切断によって短くなった手の指の骨を伸ばしたり、硬くなった関節を柔らかくする手術が可能です。また、ハンドセラピストも常駐しており、専門的な手術後のリハビリを受けることが可能です。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 118 1.88 2.78 1.69% 74.67
020180xx97x0x0 糖尿病性増殖性網膜症 手術あり 手術・処置等2 なし 片眼 - - 7.29 - -
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1 あり 手術・処置等2 なし - - 6.71 - -
020220xx97xxx0 緑内障 手術あり 片眼 - - 7.53 - -
020230xx97x0xx 眼瞼下垂 手術あり 手術・処置等2 なし - - 3.10 - -
※症例数が10例未満は-(ハイフン)と表示されています。
眼科で最も多いのは、白内障の手術入院です。白内障手術は、手術方法や機器の進歩により、安全かつ正確に行うことができるようになってきました。当院では日帰り手術も可能ですが、お身体の状態や白内障の重症度により入院手術が必要な場合もあります。
次いで、糖尿病に伴う網膜症や黄斑変性の手術症例が多くなっています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 15 - 10 17 - 27 1 8
大腸癌 - 10 15 - - 30 1 8
乳癌 - 18 1 8
肺癌 - - 1 8
肝癌 - 1
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
※症例数が10例未満は-(ハイフン)と表示されています。※病期(ステージ)とはがんの進行を表しています。
現在、日本で最も罹患率の高い5つのがん(肺・胃・肝・大腸・乳)の病期分類(ステージ)と再発の症例数を集計したものです。胃がんが最も多く、次いで大腸がん、乳がん、肝がんとなっています。2019年4月より女性医師による女性外来診療を行っており、乳がんの症例が増加傾向です。当院には呼吸器内科の専門医がおりませんので肺がんの症例は他の専門機関へ紹介しています。
高齢の患者さまは、積極的な治療や詳しい検査も望まれないこともあり、そういった症例はStage不明となっています。
当院では、内視鏡的治療、腹腔鏡下治療、手術、抗がん剤治療、緩和ケアなど、患者さまに合わせたがんの治療法を選択し、総合的に診療を行っています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 - - -
中等症 43 16.67 77.67
重症 19 29.58 83.42
超重症 - - -
不明
※症例数が10例未満は-(ハイフン)と表示されています。
一番数が多いのは中等症の患者数で、次いで重症となります。市中肺炎とは、 普段の社会生活の中でかかる肺炎のことです。中等症以上の重症患者は平均年齢が75歳を超えており、高齢の方ほど重症化しやすく平均在院日数が長くなる傾向です。
2018年度と比較して、中等症患者数27名減少・重症患者数6名増加し、より高齢者の重症患者症例が増加しています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 - - - -
その他 - - - -
※症例数が10例未満は-(ハイフン)と表示されています。
当院には、脳神経の常勤専門医がおりませんので、対象となる患者数が10件以上のものはありませんでした。
2019年度は発症から3日以内の脳梗塞の症例が3件あり、急性期脳梗塞の方は脳外科のある病院へ紹介対応とさせていただきました。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他に設置した場合) - - - - -
K0433 骨掻爬術(足その他) - - - - -
K610-3 内シャント設置術 - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
K0483 骨内異物(挿入物を含む。)除去術(下腿) - - - - -
※症例数が10例未満は-(ハイフン)と表示されています。
最も多い「中心静脈注射用植込型カテーテル設置」は、肺炎や内分泌疾患などにより経口摂取ができない方への高カロリー輸液を投与目的とした手術です。第2位の「骨掻爬術」は、糖尿病性足病変が悪化して骨髄炎を合併し整形外科で骨髄炎手術を行うなど、他科と連携を図りながら糖尿病の治療を行った症例です。「内シャント設置術」は、血液透析のための手術です。糖尿病性腎症が進行して腎不全に至った場合、血液透析あるいは腹膜透析を行うことになりますが、内シャントは血液透析を継続する上で必要となります。地域の医療機関と連携し当院入院中に設置を行った症例です。当院の代謝・内分泌内科では、他科や地域の医療機関と親密に連携を図り診療を行っています。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 56 3.27 3.68 1.79% 68.59
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞に対するもの) 45 0.02 17.18 2.22% 65.20
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他のもの) 14 3.71 1.50 0.00% 70.36
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術(不安定狭心症に対するもの) 10 0.10 13.00 0.00% 68.90
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極の場合) 10 2.60 11.10 0.00% 81.70
循環器内科で最も多いのは、診断群分類別患者数でも多かった心筋梗塞、狭心症などに対して行われる経皮的冠動脈ステント留置術です。2019年度の「経皮的冠動脈ステント留置術」は111症例行っています。また超急性期症例の「急性心筋梗塞」45症例と「不安定狭心症」10症例は、平均術前日数が「0.02日」「0.10日」となっており、これは救急受診後すぐに緊急で手術を行っている結果です。
また、計画的な虚血性心疾患に対する「経皮的冠動脈ステント留置術」「経皮的冠動脈形成術」は、主に3日間の入院期間となっており、早期退院が可能です。症例数も増加傾向にあります。
房室ブロックなどに対する「ペースメーカー移植術」は、手術後にリハビリテーションを行い、退院後のQOLの維持をできる医療を提供しています。
冠動脈カテーテル治療においては、2019年7月より最新のアンギオ装置が導入され、設備面での大幅な改善を得ることができました。治療の適応について厳密に判断したうえで適正な治療を行うとともに、複雑病変に対しても対応しています。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 229 0.11 0.99 0.44% 67.94
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 23 2.70 13.61 8.70% 78.87
K654 内視鏡的消化管止血術 16 0.88 9.06 6.25% 60.88
K722 小腸結腸内視鏡的止血術 11 1.73 6.45 0.00% 71.82
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル以上) 10 0.10 1.00 0.00% 62.60
消化器内科で最も多いのは、大腸腫瘍(ポリープ、早期がん)に対する「内視鏡的ポリープ・粘膜切除術」です。病変の大きさ(2cm未満と2cm以上)で別々に集計されており、合わせて239症例実施しています。
第2位は、胆管炎や総胆管結石などに対して行う「内視鏡的胆道ステント留置術」が23症例で、平均年齢が78.87歳と高齢の方が多い傾向にあります。
「内視鏡的消化管止血術」や「小腸結腸内視鏡止血術」は、緊急で内視鏡手術を行っているため術前日数が短い傾向です。当院の内視鏡センターでは緊急内視鏡に24時間対応できる体制を整え積極的に救急患者受け入れ行っているため、年々緊急内視鏡手術を実施する患者数は増加しています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 24 0.42 2.63 0.00% 73.54
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 23 0.48 5.39 0.00% 56.61
K6182 中心静脈注射用植込型カテーテル設置(頭頸部その他に設置した場合) 14 7.00 12.07 71.43% 86.79
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 14 1.43 13.00 0.00% 71.71
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 13 0.23 0.92 0.00% 77.31
消化器外科で最も多いのは、鼡径ヘルニアに対する「ヘルニア手術」です。第2位は、胆のう結石や胆のう炎に対する「腹腔鏡下胆のう摘出術」で、第4位は大腸がんに対する「腹腔鏡下結腸悪性腫瘍手術」です。当院では大腸がんに対しては進行度によりますが「腹腔鏡下手術」を第一選択として行っています。腹腔鏡下手術とは「腹腔鏡」というテレビカメラでお腹の中を見ながら行う手術のことです。腹腔鏡下手術は開腹術と比べて非常に小さな傷で済むために患者さんの術後の痛みが少ないことと、それにより回復が早いことが一番の長所です。術後の早期社会復帰や周術期感染の低減化に努めています。
第3位の「中心静脈注射用植込型カテーテル設置」は、悪性腫瘍などにより経口摂取ができない方への高カロリー輸液を投与目的とした手術です。
第5位の「内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術」は、術前検査や術後の経過観察のため内視鏡検査を受けた方が大腸ポリープなどを認めて手術を実施した症例です。当院では、2020年に消化器センターを開設し、従来の外科と内科の垣根を取り払い消化器部門ひとつの共通科として稼働しています。それぞれ専門の医師が連携し、適切な検査・診断・手術を含めた治療を行っています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0462 骨折観血的手術(前腕) 等 40 1.45 5.43 5.00% 44.40
K0461 骨折観血的手術(上腕) 等 31 2.58 17.87 16.13% 53.74
K0483 骨内異物(挿入物を含む。)除去術(前腕) 等 20 0.80 1.55 0.00% 31.35
K0463 骨折観血的手術(手(舟状骨を除く)) 等 19 1.79 5.68 0.00% 49.37
K016 動脈(皮)弁術 12 1.42 9.00 0.00% 46.92
当院の整形外科は、手外科・外傷マイクロサージャリーセンターと専門性が高い診療科ですが、指や手に留まらず前腕や上腕と一般整形外科症例も手術を行っています。
上位疾患の5つのうち4つは「骨折観血的手術」と「骨内異物除去術」です。「骨折観血的手術」とは非観血的な方法ではよい結果が期待できない時に骨折部を手術的に開き直接整復と内固定を行う手技で、内固定には鋼線やワイヤー、プレート、スクリューなどを用い固定を行います。その後、骨癒合が完成したら内固定材料を抜去する必要があるため「骨内異物除去術」を行います。
第5位の「動脈(皮)弁術」は、皮膚の欠損に対する手術で血流のある組織を欠損部に移植して血流を保ちます。
診断群分類患者数の指標と同様、手外科・外傷マイクロサージャリーセンターでは、顕微鏡下の「四肢外傷切断指再建手術」を積極的に行っており関連の手術も多いですが労働災害や交通事故による外傷の患者はDPC対象外となり上記の表の数字に反映されていません。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他のもの) 111 0.00 0.85 1.80% 74.51
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術(網膜付着組織を含むもの) - - - - -
K279 硝子体切除術 - - - - -
K2682 緑内障手術(流出路再建術) - - - - -
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術(その他のもの) - - - - -
※症例数が10例未満は-(ハイフン)と表示されています。
眼科は、白内障に対する「水晶体再建術」が最も多く、眼科で行われた手術の8割以上が水晶体再建術です。
「網膜硝子体手術」においては、27G(ゲージ)システムによる小切開手術を導入しているため、手術による侵襲は極めて少ないです。
またDPC対象外で上記の表には含まれませんが、当院では厚生労働省の承認を受け、先進医療として「多焦点眼内レンズ」を用いた水晶体再建術も実施しています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 - -
異なる - -
180010 敗血症 同一 - -
異なる 11 0.41%
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 - -
異なる - -
※症例数が10例未満は-(ハイフン)と表示されています。
播種性血管内凝固症候群(DIC)や敗血症は、感染症や悪性腫瘍などに合併することが多い疾患です。細菌やウイルスなどが体に感染し、それを阻止しようとする体の免疫による防御反応とが関連して生命を脅かす臓器障害を来した状態とされています。従来から生命を脅かす非常に重篤な病気ですが、全世界で現在進行形に研究がすすんでおり、徐々に救命できるようになってきています。当院では病状の早期把握を心がけ、ガイドラインなどを参考に治療を行っております。
「手術・処置後の合併症」の内訳としては、処置後出血や中心静脈カテーテルの長期留置による感染症などです。 医療の特性上、発生をゼロにすることはできませんが、発生のリスクについては事前に十分な説明をした上で、発症が最小限になるように細心の注意を払っています。
更新履歴
2020年9月28日
令和元年度の病院指標を公開しました。