大阪掖済会病院について
2021年10月1日より、大阪掖済会病院の院長に就任いたしました、村橋邦康です。
現在、コロナ禍という近年経験したことのないパンデミックの状況下、地域の中で当院がどのような役割を果たしていくべきなのかを考えますと、その重責に身の引き締まる思いです。
大阪掖済会病院は、大正2年に設立され、創立100年を超える地域密着型の急性期病院です。当院の理念は、「掖済の心で思いやりのある医療を実現する」であり、「掖済の心」とは腋に手を添えて支えるように助けることを意味します。患者さんをしっかり支え、思いやりのある医療を行い、地域の方々から信頼を得られる病院を目指しています。
私自身は、1993年に大阪市立大学医学部、1999年に大阪市立大学大学院医学研究科を卒業し、市民病院勤務を経て、2004年より当院で勤務しております。医学部卒業後は、消化器外科医として28年余り勤務して参りました。その間、消化器癌を含めた多くの消化器疾患の患者さんの診療にあたりました。研修医時代に、指導医より、「患者さんの信頼を得るためには、何度も患者さんのところに診察に行くことが必要だ」と教わり、そのことを常に頭の中に置きながら診療に携わっています。患者さんにとっては、知識や経験が豊富な医師は安心感を与えるかもしれませんが、本当に信頼を得られる医師とは、患者さんに寄り添い、多くの時間をかけて患者さんと十分にコミュニケーションが取れる者と考えています。つまり、「掖済の心」こそが、医師をはじめ医療従事者に必要な心構えであると感じております。
今後さらに少子高齢化が進み、当院をとりまく状況も同様の中で、地域医療を支える中規模病院として、かかりつけ医と急性期病院の両方の役割を果たすにはどうすべきか考えることが必要です。診療態勢の再構築や、救急受け入れの強化などを行い、患者さんのニーズに応えられる病院として、地域の先生方とも密に連携をとりながら、いっそう地域の皆様を、健康面からしっかりと支えられるよう全力で頑張って参りますので宜しくお願い申し上げます。